日本の65歳以上の高齢者の人口は2019年時点で3588万人であり、全体の人口に占める高齢者の割合は28.4%となっています。この割合は2040年には35.3%にもなると予測されています。
これに伴い介護が必要となった高齢者を介護する家族も増加することが予測されます。介護には大きな負担が伴うと言われています。今回はどんなことが介護負担につながるのか、3つの例をその対策をご紹介します。
<参考>
https://seniorguide.jp/article/1207592.html
目次
これが介護負担につながる①自分の時間がとれない
介護をする人は介護を必要とする人の食事介助や排泄介助、入浴介助など様々な介助を行わなければなりません。
そうすると自分の時間が取れなくなってしまいます。自由に過ごす時間が少なくなるばかりでなく、仕事をする時間も少なくなってしまい、それはストレスへとつながります。
実際に北海道で行われた調査においても、介護のために時間的に拘束される精神的な疲労の方が、肉体的な疲労よりも大きいことが分かっています。
自分のための時間が持てないのはとてもつらいですよね。
▼対応策
積極的に利用出来るサービスを利用しましょう。デイサービス・デイケアといった施設に通うサービスや訪問看護や訪問介護といった自宅で受けることの出来るサービス、特別養護老人施設や介護老人施設といった施設に預けるサービスなど様々なサービスがあります。市区町村の窓口に相談してみましょう。
<参考文献>
https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/42/2/42_2_221/_pdf
これが介護負担につながる②介護の良き理解者、支援者がいない
介護を手伝ってくれる人や介護相談を出来る人がいないことは介護の負担を感じやすくなることが分かっています。精神的にも肉体的にも介護には大きな苦労が伴います。そのため一人で抱え込まず、相談できる相手を見つけましょう。
▼対応策
認知症カフェという認知症本人や認知症の方の介護をしている方が集まって語り合ったり、情報交換をしたりできるカフェが全国各地で開催されています。参加費も無料か、お菓子代くらいの安い料金で行くことが出来ます。ぜひお近くの認知症カフェに参加してみましょう。
これが介護負担につながる③BPSDに苦労する
認知症の症状には大きく中核症状とBPSD(周辺症状)の2つに分けられます。中核症状は脳の機能の低下によって起こる症状のことで、
・記憶力が落ちる
・筋道立てて行動できない
・今何時何分で自分がどこにいるかわからない
・物の使い方が分からなくなる
・物や人の名前が分からなくなる
などが挙げられます。
一方でBPSDは中核症状の結果起こる、様々な症状のことを言います。
具体的には、
・不安、抑うつ
・妄想
・徘徊
・失禁
・暴力、暴言
・睡眠障害
などが挙げられます。
BPSDは介護者の大きな負担となることが分かっています。
▼対応策
BPSDに対する治療としてはお薬を使った治療法と、お薬を使わない治療法があります。
鈴木らはお薬を使わない治療法として次の4つ挙げています。
・音楽療法
・リアリティ・オリエンテーション
(https://seniorguide.jp/article/1207592.html)
・回想法
(https://seniorguide.jp/article/1207592.html)
・芸術療法
中でもリアリティ・オリエンテーションと回想法は自宅でも気軽に行うことが可能だと考えられるので、ぜひ実践してみてください。
<参考>
https://www.jstage.jst.go.jp/article/manms/6/3/6_3_135/_pdf/-char/ja
これが介護負担につながる まとめ
いかがだったでしょうか?今回は介護負担につながる3つの要因とその対策についてご説明いたしました。
介護は1人で行うことは出来ません。上手にサービスや仲間と協力しながら、介護が必要な人を支えていきましょう。