「リハ以外の時間もなるべく身体を動かしましょうね」といった声かけはどこの病院でも耳にすると思います。しかし、果たしてこのような声かけは効果があるのでしょうか?この疑問を調べた研究がありましたので今回ご紹介させて頂きます。
<研究疑問>
①理学療法士が高齢患者へ入院中に体の動かすことの重要性をアドバイスすれば、活動量・モビリティ・筋力・入院期間・合併症発生を改善させるか?
②またどのようなことが入院中に活動を阻害するか?
<対象者>
60歳以上の大学病院呼吸器科の入院患者68名。自力で移動可能でアドバイスを理解できる方。
<介入方法>
・介入群には通常の入院治療に加えて、冊子を配布。
・その冊子には入院の身体への有害さと入院中も活発に活動することの重要性が記載されていた。
・理学療法士がその冊子を介入群の患者に届け、1回だけ20分間口頭で説明を実施。
・一方、対象群は通常の入院治療のみ受けた。
<結果>
・介入群は対象群に比べて歩数が1日あたり974歩も多くなり、座っている時間が減少していた。
・一方で、筋力・入院期間・合併症発生に関しては有意差はなかった。
・また入院中活動的であることを阻害するものとして患者は呼吸困難感・スペース不足・感染症の不安を挙げている。
<ふるむら的感想>
1回のみの説明で活動量が増加するもんなんだなあと思いました!冊子までしっかり渡したのも大きいのではと思いました。今回、入院期間短縮とはならなかったものの、退院してからも活動量の増加が維持されていれば、再入院の予防に寄与していた可能性もあります。
私もめげずに声かけ続けたいなあと思いました!